我が家の長くつ下のピッピ
前回、挿画によってさまざまにイメージが変わるピッピについて記事を書きました。
今回は、我が家のピッピについてです。我が家の蔵書に、1971年(昭和46年)初刊の講談社こどもの世界文学シリーズがありました。シリーズ全体の責任編集者は神宮輝夫、関楠生、鳥越信、安藤美紀夫、塚原亮一。装本は大橋正、扉絵は安野光雅が担当しています。
そして、シリーズ21巻目〈北欧編・3〉が「長くつ下のピッピ」です。翻訳は尾崎義(おさきよし)、挿画は太田大八(おおただいはち)。
尾崎義訳では、ピッピの風貌はこんな風に紹介されています。
頭の毛は、にんじんと同じ色で、二本にわけてあんだ毛は、右と左にぴんとはねあがっていました。花は小さなじゃがいもの形をしていて、そばかすだらけでした。その鼻の下に、じょうぶそうな白い歯をもった大きい口がついていました。
きものは、まったくかわったふしぎなものでした。それはピッピがじぶんでぬったものです。ほんとうは青色のきもののつもりだったのですが、青いきれ地がたりなくなったので、そころどころ赤いはぎれをぬいつけてしまいました。
そして長い細い足には、長くつしたをはいていましたが、かた方が茶色で、かた方は黒でした。それに、じぶんの足の倍くらいもある大きな黒ぐつをはいていました。そのくつは、ピッピが大きくなってもはけるようにと、パパが南アメリカで買ってくれたもので、ピッピは、ほかのくつはぜったいにはこうとはしませんでした。(p18より引用)
そして、となりのページにピッピの絵が載っています。
髪の毛と服のはぎれが赤い色鉛筆で塗られています。
実はこの本は、近所の古本屋さんにて購入したものです。前の持ち主が色を塗ったのではないかと思います。
原稿用紙は、感想文のためではなく、数字の練習に使われました。原稿用紙の枠に収まるように、なぜか5行目の一番上のマスから縦書きされた、ところどころ順番が違う数字たち。これを書いた人はもうおばあちゃんまたはおじいちゃんになっていたりして・・・
本の作り手の思惑とは全く違うところに読み手はいるようです。
図書館の本にはこんな落書きはありませんし、できませんから、古本ならではのおもしろさです。こうやって他の人が所有した本を読み継ぐのって、なんだか楽しいです。
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